ライトノベルは『スレイヤーズ』から『ブラックロッド』までが一番充実してた派。あとジャンプ系ノベライズは版型が大きいからライトノベルじゃない派。

 んーと。
http://d.hatena.ne.jp/genesis/20061109/p1
 奈須きのこよりも桑島由一ヤマグチノボルあたりのほうがライトノベルとエロゲの越境者としては重要かと。挿絵描きに関しては竹井正樹あたりからもう越境してますね。
 三重の『カナリア』ショック、ということを俺は常々言っているわけですが、もう一回繰り返しておきます。桑島由一ヤマグチノボル片倉真二という『カナリア』のメインスタッフは、テキストサイト華やかなりし頃のスーパースターであって、その彼らが揃ってエロゲーを作った、という、これが第一のインパクト。それから、出演声優陣*1が、エロゲに出ようとは到底思われないような面々*2であったのが第二の衝撃。そして第三のショックは、そのエロゲのノベライズが角川スニーカー文庫から出版された事です。なお、エロゲがノベライズされる、というのも結構ショッキングな出来事だったのを記憶しております。エロゲノベライズとナポレオン文庫あたりの初期ジュブナイルポルノあたりは人材的な交流もありましたし、突っ込んで調べると面白いところかと。出海まこと雑破業清水マリコ中山文十郎金月龍之介など、中々に興味深い面々が関わっているあたりですゆえ。

*1:CDメディアの発達によるゲームの大容量化の一側面であるボイス付き化は、作品の質とオタクカルチャーの重要な一部である声優カルチャーを大きく左右するインパクトを有していたはずで、コンシューマギャルゲーの発達の背景としては絶対に見逃せないし、ボイス付きが常態化した最近のエロゲが日常萌えゲーに偏移している理由の説明でもありえるはず。

*2:コンシューマ版の出演陣は青二プロダクション所属の声優ばかりですが、青二プロダクションはPCエロゲに所属声優を出演させない方針でした。無論、PC版に出演しているのはコンシューマ版の出演者に非常によく似た声の人たちであって、別人なのですが。

 で。
 小説家からエロゲシナリオライターに転向した事例は、いくつか見受けられます。北原童夢や綺羅光のような官能小説家出身者、一般文芸から転進した涼元悠一、なんだかマルチに活動している金月龍之介などなど。
 しかし、プロパーなライトノベル新人賞を受賞して、その後エロゲシナリオライターに転向した、という事例は寡聞にして知らないところであります。小説家が苦界に身を沈めるのを良しとしないのかエロゲ屋がラノベ作家は通用しないと思っているのかそういう人はいるのだけれど身分を隠しているのかは知らないけれど、子供向けのヤングアダルト文庫と大人向けのアダルトゲームの間の壁は、低くなりつつ派あるものの、まだまだ結構高いんじゃないでしょうか、とか。