『おとボク』。
 具体的な話をすれば、神田朱未浅野真澄は文句なしに上手いからどうしたってアジャストしてくるだろうし、ワールドグレイテストチンコ声優堀江由衣が女装主人公というのは正しすぎる。
 後藤邑子松来未祐真堂圭あたりは今が旬だし、新人かそれに準ずる声優が混ざっていないキャストは退屈だ。木村まどかは夢の住む星だ。榊原ゆいも。松本彩乃は僕らの寝汗に塗れた淫夢そのものだね。
 問題はたかはし智秋野川さくらという事になる。
 たかはし智秋は華のない伊藤静*1と形容するのが俺の中では一番しっくり来て、その意味で伊藤静と並べて性的魅力があるほうじゃない年上のお姐さんとして起用した『ゾイドジェネシス』の正しさにはううむと唸らされるばかりなんだけれど、やはり単体で何かを託せるタレント力はないと言わざるをえない。ため息つかされるほど上手いってタイプじゃないしね。だから、どういう考え方で起用しているのか、所詮は商売だよという頭の悪い反論を先回りした形で言えば、起用する事自体は所与として、その所与の状況をどのように作品世界内に位置づけようと考えるのか、そこのところがスタッフの腕の見せ所であって、不安な一方で楽しみでもある。
 野川さくらについてはまあ、作品を決定的に破綻させる事はなかろうかなと。無難なところに落ち着けてはいるってところで。

*1:http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20060615#1150372354で指摘した幻滅の地平を構成できないのは、伊藤静の華、ややフェロモンhttp://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20051225#1135527882を持たないため、最低限度の幻想も抱かせてくれないから。嫌リアルの精髄・速瀬水月がたかはしの再出世作になったのはだから頷ける話。