シムーン

 よい心中でした。
 心中へ向けて盛り上がっていく二人の気持ちに重点が置かれていて、自爆攻撃の悲愴さにはあんまり向かわないのがよかったっす。理解しあえてしまったらあとは一緒に行くだけ。
 一方のアーエルとパライエッタは大変とげとげしい感じに。モリナス・アルティ・マミーナ・フロエあたりの前でパラ様に恥をかかせるわけにはいかなかったけれど、おのれの子分のリモネとみんなのお姉ちゃんのドミヌーラの前ならそれもあり、というあたりの鼻の効き方、恐ろしい子であることです。
 アーエルは結構気遣いの人で、姉妹の回とかはネヴィリルもそうと見てカイムを任せている節があるのだけれど、パラ様がでしゃばってきてなんかこう、色々台無しに、というここ何話かでした。
 姉妹の回はちょっとすごい。
 豊口がおかしいって話なんだけど、なんだろう、姉を強姦するような鬱屈した変態性欲者の芝居と思わせていたものが実はそのまま豹変してしまった姉を気遣い気高くあろうとする健気な妹の芝居だった、というサプライズの仕掛け方、何。