http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20070328/1175105791
 そうそう、と思ったのでリンクしておく。

僕のやりたいネタをすごいレヴェルで実現している人

 ネタ自体もさることながら、そのネタを実現するためのあの文体ね。
 1980年前後生まれの男のオタク寄りな小説家志望者が全員目指して辿り着けなかった理想の文体。西尾維新佐藤友哉も成田良吾も海羽超史郎も結局は中村九郎の出来損ない。
 実体ー描写モデルを胡散臭い詐術としか思えず、物語至上主義には抑圧しか感じられない。唯二つ、表層の戯れと萌えだけは信じてもいい、それに淫したいから作家を目指した俺たちの夢。剥きだしの運動性。
 なお、『黒白キューピッド』は物語的落差を生むべき二項対立が次々と言語遊戯に脱臼される中、少年少女の淡い思いがある切実さを伴って立ち上がってくる傑作なのでとっとと読むよろし。