ジェームズ・キャメロン監督『アバター』

 川崎109シネマズIMAXシアターにて。3D吹き替え版。
 いやあ、すごかった。どうやって作ったんだコレ、という驚きで3時間退屈しないでいられる映像がまさかこの21世紀にまだあろうとは。
 お話はとてもオーソドックスかつ丁寧。最後の戦闘シーンで突然弓矢の威力があがったとかそういうことはまああるにしろ。西部劇っつーか『ラスト・サムライ』っつーか。文明人が野蛮人のコミュニティに迎え入れられ、やがて文明を捨てて野蛮につくまでのオリエンタリズム溢れる感じのハリウッド大作。まあ、その辺は期待してないので別にいいです。トミーの死に顔のクローズアップから始まって、アバターのナヴィとしての再誕の瞬間のクローズアップで終わる映画。基地の名前がヘルズゲイトで、リンクマシンは明らかに棺桶と、死と再生のイメージの色濃い映画なんだけれど、野蛮人のもとで文明人が死に換わる、と思えばそれもオリエンタリズムであり、なんというか、ハリウッドの悪徳ーという感じがします。
 とにかく、見たいものが見せてもらえる2時間42分。やばいわー。いくら掛かってんだコレ。

りんたろう監督『よなよなペンギン』

 川崎109シネマズにて。『アバター』のあとに見ては、まあそりゃ見劣りしますよね。同じところはめざしていないと思うけれど。
 安普請なりにキュートで、特に不満なく見終えられたのだけれど、冷静に考えるとご都合主義の嵐でした。
 うーん、これ、怒ってもいいと思うんだけどな、観客。なんか満足してしまった。
 テーマは伝わってくるけど作中現実として何が起こっているのかはあやふや。主人公が抽象的な美質を発揮したのでとにかく事態は改善しました、以上の解釈ができない。
 まあ、誤読の余地はないのでいいのかも。