手からビームが出る理由の差異化ゲーム、というのは、ライトノベルにおける世界観の各作品間の差異が、つまるところ手からビームが出る理由が何かという程度の差異でしかないという事です。
 それは、世界設定の差異が主題・人間描写・文体・構成と密接な関わりを持たねばならないというジャンルSF・FTのお約束から逸脱しているわけです。いいとか悪いとかではなく、それはそういうものです。
 いつからっていうと覇権を取ったのは『スレイヤーズ』からだと思います。『スレイヤーズ』の時の*1神坂一以外で主だったとこでは庄司卓とか冴木忍とか榊一郎とかね。なので、それ以前及び以降の過渡期には、SF・FTのお約束に沿った、世界→人間の関係をかっきり描いたラノベは結構ごろごろしていたりします。その最も成功した事例が『フォーチュン・クエスト』である事は論を俟ちませんが、まあ深沢美潮に限らず、冴木忍以外の富士見勃興期まで*2の女性作家の手になるファンタジーは大体こっち。その最も時代の下る例は初期こばめぐ。
 新城カズマ(良い時の)・古橋秀之秋山瑞人辺りは、人間描写は現代人そのものでも、それでかまわないような世界観を作り上げてくる。現代世界の戯画として異世界を構成する、人間→世界の順に作品を構成しているわけです。これは、ニューウェーブSFあたりの考え方に他ならないわけで、まあ、そう言う意味で彼らは古臭いっちゃ古臭い。
 いや、別に何ってこたあないんだが。
 

*1:『日帰りクエスト』はそう言う意味では真っ当なFTですゆえ。

*2:あくまで年代の話ね。

http://d.hatena.ne.jp/evataka/20060123#p2
http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20060123#1138003494
http://d.hatena.ne.jp/evataka/20060126#p1
 ↑ら辺の、声優黄金世代を巡る議論の参考資料として、http://kaolu4seasons.hp.infoseek.co.jp/okiba/nendaibetu.htmこんなものを作ってみました。バカです。
 こうしてみると、80,75,73,70,65,63あたりが強そうです。少数精鋭の67,76,81でなく、単純に頭数の多い年が強い、という傾向。
 声優の数が増えるということは、新人声優の仕事がその年生まれの面々が世に出る頃に多かった、という意味に他なりません。
 91年のランク制導入に後押しされた63,65、セラムン後ブームに乗っかった70、エヴァ後バブルに乗っかった73,75、萌えバブルの80という感じかしらね。
 あと、声優サッカーの基礎理論に関してはダイナメンスが夏コミで発行した『ハングリーメンス』が公開されてます。
 http://hokusyu.hp.infoseek.co.jp/からどうぞ。
 この頃はまだ左=清純派、右=活発系という分類が導入されておりませんが。
(追記)
 80年の最終ラインに対する不満がちょこちょこ見えるのですが*1、これは、ピルロ=森永、カカ=植田がいるならミラン風4-3-1-2をやるだろ、という事で危ういくらいにオフェンシブなSBが入れてあるものです。
 3バックなら落合・成田を下げて小林・伊藤をWBに、川瀬を最終ラインに入れますし、4-3-3なり4-2-3-1なりならば水樹・小島の守備の安定感あるSBを入れたい。というようにシステムから人を選べるくらいの層の厚さが80年組の強さかなと。