ガイキング

 旅立ちの話。
 『ゾイドジェネシス』よりはまあ、随分と繊細さに欠ける事よ、と思ったが、これって本来の居場所へ招かれる話で、『ゾイドG』は石もて追われる話で、そこは対照的っちゃそうなのね。世紀の失敗作という評価の固まりつつある『エウレカセブン』もまた召喚話形だった事を考えると、今誠実にジュブナイルをやろうと思ったら追放話形を取らなくっちゃいけないのかも。そいや俺の大好きな『DTエイトロン』も追放話形だったなあ。
 ちと整理。
 穢れにより追放されたものは、それを祓うために旅をする。
 と言うのはこれは、『神秘の世界エルハザード』くらいまで含まれていいようなものと考えてね。
 と言う事は、彼らの旅は故郷へ帰るための旅なのだけれど、昔書いた通りhttp://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20050906#1126008325、彼らに穢れを負わせた故郷は、離れられる事により、おのずとそうである資格を喪失する。裏切りの遠き故郷。
 で、彼らは旅の中で故郷に代わる新たな共同性を構築していく。これが、みんなが大好きな成長って奴の正体だったりするわけだ。別にただの相転移なんだけどな。ただ恋に落ちる、という程度の。君はまだ希望の意味も知らなかったんだね。
 ここには呪詛と旅と相転移の間に直線的な関係があって、分りは易い。
 居場所から差し招かれる場合は、相転移がまず起る。
 と言う事は、その時点で呪詛の持つ物語動力はもう消尽されている。となれば、その先にありえるのは獲得されたはずの共同性が今一度の相転移を起す=一度は崩壊するしかないはずでさ。そこまでぱっと入れるべきなんだけれど、2クールやってまだ共同性が崩壊してない『エウレカセブン』はなんなんだろう、と思う。『Z』じゃもうレコアさんはヤられてるしカツは暴れ始めている。
 基本的に悲惨な話にしかならんはずの話形で、これでいいのかな、という疑問が有る。
 いったんここまで。