久々に電波が降った。
 『マブラヴ』の純夏の後ろ頭がいかに幸せだったか、はまあ今更言うまでもないのだけれど、あれってエロゲにおける『新宝島』神話*1なんだよね、多分。
 エロゲのユーザインタフェースって、重層的な、各層には奥行きのない表示システムなんだけど、その背景の層と立ち絵の層を同じ階層に繋ぎ合わせて見せた、という驚き。
 となると、多分漫画論におけるコマ・フレームの問題とパラレルにエロゲのインタフェイスは語れるはず。てすっげえ当たり前なこと言ってるね俺。というか昔しかけた話であるよ。少女漫画の紙面とエロゲインタフェイスの類似て。
 ただ、俺は純夏の後ろ頭が大変に幸せであった事を全力で主張するものでありつ、フレームを単に視点人物の視界、としてしまう『マブラヴ』の方法はむしろ反動的である、とも考えます。まさに手塚死以前、というか。アージュはエロゲの手塚なのだ、と言われればうーん、うーん、うーん、という感じです。じゃあ『NOë:L』はとかな。いやつまりさ、ある時期までのueda yasuyukiPてのは確実にエッヂな送り手だったわけっすよ。俺らのヒーローだったんですよ。カリスマアニメプロデューサーだったんすよ。『ヘルシング』やっちゃうまでは。閑話休題
 というか背景と立ち絵が異なる階層でなければならない理由の側の希薄さが暴露されたって事でもいいか。エロゲの次なる革命は、表示システムの多層性を積極的に利用するところから始まる、はず。アージュはいわば太陽王ルイ14世みたいなもんすわ。じゃあオーガストは、という話を誰かがしなくちゃいけないはずなのでしてください。リトルウィッチは処女王エリザベス1世
 で。つうかイイタイコトはこっからだったはずなんだが。
http://d.hatena.ne.jp/USA3/20060217#p1
 『君がいた季節』
+『螺旋回廊』
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 『君が望む永遠
+『化石の歌
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 『マブラヴ
 と考えると、あんまり毎回新しい事をやっているわけでもないと思います。
 舞台設定があちこちへ飛ぶ、というだけなら結構色んなメーカーがそうしている。それこそアトリエかぐやとかlilithとかCLOCKUPとかね。アージュの場合お話はいつもいつもあいとゆうきのおとぎばなし鬼畜人タムーの快適な妄想り、だし。
 アージュのどこが好きって言うとまあ吾人の場合その妄想りなわけで、大筋のお話は結構へーふーほーだったりします。
 ところでゲームの延期については山内語録http://homepage2.nifty.com/kamitoba/goroku/yamauchi.html

任天堂のソフトはいつも予定通りに出てこないって言われるけど、ソフト作りっていうのは、そういうもの。ゲームソフトは、期限までにやれと言われて、徹夜したり死に物狂いでやったからといって、期待通りのものにはならない。そういうふうにすると、結局、チームは妥協しなければならなくなる。妥協させられて、できたものは、粗くなってしまう。ユーザーは目が肥えていますから、受け付けてもらえない

 というのがあります。今更山内会長がナンボのもんか、という意見もなきにしはあらずかと思うけれど、延期即倒産、でないのならば納期との妥協を排するべく延期を重ねるのもありだと思います。特にアージュは真面目にやってるのだろう事が伝わってくるメーカーだし。
 

*1:映画的表現テラスゴス、という。