新城カズマ『ライトノベル「超」入門』

 確かに今後ライトノベルを語るに当たって欠かせない本。
 それはそうと。あるらしいです、全体小説なラノベ。六門世界シリーズ『魔神封印の壷』発刊時の安田均のインタビュー。

−−いえいえ(笑)。ガスパーニュという、召喚術をかじったこともある盗賊が登場して、うぶなリコルとは打って変わって大人の駆け引きを見せてくれますよね。このあたりの意図は?

安田:もちろん、リコルを一直線に追いかけてほしいという要求が強いことは分かっていたんですよ。だけど、主人公を追いかけて突っ走っていく作品は、『ドラゴン大陸興亡記』(北沢慶との共作)ですでに書いてましたからね。この<六門世界>シリーズでは、むしろ全体小説を目指したところがあるんです。

−−全体小説、ですか?

安田:そう。六門世界といえば、これから展開する『モンスター・コレクションTCG』(富士見書房)の舞台ですよね。TCG小説というと、ゲームで扱う限られた局面−−モンコレならば、召喚術師どうしがモンスターを呼び出して戦う−−の小説化をすぐに連想する。もちろんそうしたものもやっていきたいし、面白い作品になると思うんだけれども、それだけでは芸がない。

−−なるほど。

安田:むしろ背景としての六門世界の特徴は、ある程度書いておきたい。おなじみの地水火風に聖魔を加えた六大エレメントによって構成された世界だけれど、そうした世界を多面的に、いろいろな角度から捉らえることによって、現実の写し鏡としてのファンタジー世界を表現できると思うんですよ。

−−それが全体小説である、と……。

http://72.14.203.104/search?q=cache:p435-MotpG8J:www.groupsne.co.jp/htm/htm/new/up/int2.htm+%22%E5%85%A8%E4%BD%93%E5%B0%8F%E8%AA%AC%22&hl=ja&ct=clnk&cd=4&client=opera
 でもここまで全体小説って概念を拡大しちゃっていいんならブラシリーズ三部作とかもそうなるよなあ。蓬莱学園も。ブギーポップも。
 というか。ライトノベルと全体小説って実はなんか親和性あんのかな。
 『オーフェン』も最後はドストエフスキーの引用だしな。
 
 えー。
 可笑しな事は書いてあるが間違った事は書いておらず、話芸優先偏向上等なスタイルで貫かれていて、現役クリエイター執筆の実用書かくあるべし、と思います。
 アニメ塗りの話は表に出ている情報を見る限りやや嘘、つまり彩色別人のイラストってアニメやゲームのノベライズの表紙だけキャラクターデザイナーが描いたケースとか以外でそんなにはないようなんだけれど、実はそうでもないのかしら。例えばあらいずみるいとか彩色別人だったりすんのかな。その辺はもう、知らない、としか。
 それから『NORIEが将軍!?』以前に斉藤英一朗作品の挿絵とかを80年代から美樹本晴彦は描いてるよ、というデータミスが。俺が気付いたのはこんなもんだけど探せば他にもあるかも。
 あと年表にPiaキャロが入ってるのが素晴らしい。
 もちょっと色々語る。あとで。
 あ! 取り急ぎ。
 ゼロジャンルの話のあたり、手塚一志のジャイロボール語りを思い出して大変ハアハアしました。