ゼーガペイン

 川澄綾子が幸薄声優でもあった事を忘れていた。『HAPPY LESSON ADVANCE』の浅野るりばり、と言って伝わりますでしょうか。みゆみゆみたく全力で儚くなりに行かない限り、レフティが幸薄ポジションをやると、ライティの非性的な善良さとはかなり相異なった、女の業の先に立ったエロい芝居になります、という。これはこれで伝説の清純派の凄味であるなあ。
 それはいいんだけれど、川澄綾子はどう年を取るかを考える時期ではあって、業が匂い立つのも若く無鉄砲な声力と加齢による太さのバランスが上手く取れた結果に過ぎないと言えば過ぎないわけで、しかも大沢事務所の女性声優は年を取るのがあまり上手くない、という印象があります*1。年取り損ねるか最初から老け声かの大体どっちか*2ときメモ組でアニメ声優として生き残ってるのが五十嵐麗のみ、というあたり、まあ典型と言えますでしょうか。CMナレーター向きの声質でもないしねえ、川澄は。能登と違って。
 何が言いたいのかと言うと、三十歳のこの時の川澄綾子、の刻印された名作である事です、というだけなんだけれど。
 

*1:南央美とか急速に消えたよね。

*2:謎の復活を遂げた伊藤美紀はほぼ唯一の例外。