http://nuruwota.blog4.fc2.com/blog-entry-917.html
http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20060728#1154122197
http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20060804#p1
 やっぱりダメだ。
 水樹奈々堀江由衣よりも芝居が下手だと言われる事がどうしても納得できん。坂本真綾が棒読みだなんてのはいいよ。俺はちっともそう思わないが、それはまあ、そう言い出す奴がいる理由はわかる。田村ゆかり田中理恵平野綾の実力が過大に評価されるのもわかる。低めで迫力出せたり声にわかりやすいバリエーションつけられたり派手な感情表現はできたりすると見栄えがするから。野川さくらの実力が過小評価されるのも新谷良子の実力が棚上げされるのもわかる。ここまでに至る経緯にかなりケチがついてるタイプだから。
 でも、堀江由衣? 君らの嫌いな単声声優よ? 芝居いつもおんなじよ? あんまり派手な感情表現はしないよ? 坂本真綾よりほんの少し派手なくらいよ? 声高いよ? テンポのいいコミカルなしゃべりできないよ? ものすごく強引な事務所の押しで今の地位を築いたよ?
 俺自身は華やかな声質と地味めな芝居のバランシングで稀有なオリジナリティを発揮している声優だとは評価しているけれど、そういう評価軸を導入すると坂本真綾の実力の高さって否が応にも目に付くはずじゃん。
 で、水樹奈々。声はバリエーション豊富、感情表現も十分派手派手しく、低めで迫力も出せて、速いテンポもとれる。2ch基準じゃ上手い事になってないとおかしいと思うんだが。
 無論、ワンアンドオンリーな存在感には欠けるし、口調の構築にはあまり見るべきところがなく、テンポも城雅子吉住梢よりは遅く、感情の切り替えの最小幅は大きい。言い換えれば、圧倒的な上手さは有していない。だけど、その程度の欠点が堀江由衣田村ゆかり田中理恵平野綾にないかって聞かれたらそらあるに決まっている。聞いてるこっちがいたたまれなくなるような本当に強い感情の乗った一発が田村ゆかりにはないし、田中理恵の小さな抑揚が一切と言っていいくらいにない日常芝居は野川さくらのそれと並んでクソ演技のいいサンプルで、平野綾水樹奈々のストロングポイントである中程度に強い感情の表現がぎこちなく、堀江由衣は声にバリエーションがなくメインパターンの使いどころも普遍性をやや欠いている。
 水樹奈々の欠点――圧倒的な上手さをは有していない事がこれらの欠点の中で最も致命的だ、てのは全然わからん話なのだが。どっちがすごい声優かと聞かれれば堀江だけどどちらが使い勝手のいい声優かと聞かれりゃ圧倒的に水樹だろう。
 考えられるのは世代間格差という奴か。俺らの世代にとっては堀江由衣ってその売り出し過程を具に見せられてしまって、押しが露骨過ぎて引くなあと思わされたボイドルなんだけれど、今2ちゃんねるでクダ巻いてるのが十代から二十代前半くらいの声優ファンだとしたら、そういう過程を知らずに、既存のビッグネームとして堀江由衣をまず意識したのかもしれない。その既存のビッグネームの芝居がまさか悪かろうはずはない、と思ってしまっているのかもしれない。俺らの世代でも榊原良子が全然叫べてない事に気づいてない奴とかいそうだしな。
 んー、でもやっぱりわからんなあ。堀江由衣の芝居を標準だと思ってるんなら田村ゆかり田中理恵を上手いと思えるはずがないのになあ。