荒山徹「柳生大戦争」(「KENZAN!」vol.1)
お、おお、思い出し笑いが止まらん。何考えてんだこの人。
えーと。
「密書「しのぶもじずり」」の焼き直しじゃねえか! そんな事はまあ、気にしなければ気にならないのだが、みんな大好き柳但州の登場シーンが舟橋少納言の登場シーンとほんと同じなんだ、これが。
「これが、その書翰にありまするぞ――」
するすると、古びた文書が眼前に展げられた。
「――おお!」
「――な、なんとっ」
尹順之と趙絅、そして申濡の顔色が瞬時に変わった。それまで三人そろって、いわば眉に唾して聞いていた話が、一転、俄に信憑性を帯びた現実となって彼らに迫ったのである。
「密書「しのぶもじずり」」
「――これが、一然国師の書翰にござる」
柳生但馬守宗矩は、古びた文書をするすると畳の上に展げてみせた。
「おお――」
「なんと――」
それまで、いわば眉に唾して聞いていた李朝の使者たちは、瞬時に顔色を変え、群がるが如くして古色蒼然たる書翰を覗き込んだ。
「柳生大戦争」
どうなんですか、こういうの。俺は一向に構わんというか、ファックがついに自作にまで向かったかと言いますか、なんからしいっちゃらしい気もします。
で。
二人の歴史ファッカーの魂が700年の時を越えて共振しあう書簡部分は熱すぎる。「後まわしにすることにした」ってなにを根拠にそんな見てきたような嘘をつくんだ! 「嘘とは、このようにしてつくものだ」じゃねえ! 「口を慎め、悪十」お畏れながら猊下それはユア脳内柳生でございます!
まあ、俺柳生には華麗なるスルーをかますとして。だってもうみんな一通りつっこんでるし。
悪十が亀山院に仕えてるのは大覚寺統=南朝に柳生一族が与力した、という史実に基づいているのであって、あのなんかみょーにもったいぶった院の登場シーンはそこの整合性を自慢しまくりたい底意が透けて見えるのだが、そんなこまいファックはみんなスルーですよね。
吾人の脳裏にはトオルアラヤマファックストハズガタリ、というビジョンが稲妻のように閃きました。『とはずがたり』がそもそも後深草院ファック、というか、後深草院とファックというかな作品なんですが、それを荒山ナイズしますと、どんな悪魔合体が。後深草院二条は韓人。てか後深草院が韓人。
それはまあいいのですが、
チンコ切り大好きホモ大好きなのは相変わらずなんですが、レイプと超高速で蛆が湧く死体を持ち出さないあたり、巻頭作家として自重したんだなと思うと、自重するのはそこか、と眩暈を覚えますな。
ええ、まあ、つまり。
いいぞもっとやれー!