http://maijar.org/?q=node/1374
 えーと、二点。

知略を尽くし練習などにも工夫を凝らす

 あれはそういうのどかなものではなく、さらっとオーバーテクノロジーを持ち込んでいる、極めてアグレッシブなものです。例えば巴が提唱する走法は、古武術家・甲野義紀の影響を受けた陸上競技指導者・高野進が生み出し、末續慎吾に伝えて世界陸上でメダル獲得を果たしたナンバ走法に他なりません。そのほかにも、かなり新しめの野球・運動理論がちょこちょこ持ち込まれている。そこにニンマリする、というのが運動理論なり野球なりに詳しい人の推奨される読み方であると思われます。
 野球描写があんまり多くないのも、そのへんのオーバーテクノロジーをあんまり突付きまわし過ぎると大正浪漫から時代伝奇にシフトしてしまうがためのやむを得ざる処置かと思われます。
 もう一点。

みりおんぐらむで指摘されてますが、野球そのものについては少々怪しい部分があります

 はいはい。指摘。どんな?

そ れ は 守 備 妨 害 だ 。  スポーツやる人間として道義的にどうなのかという問題もあるけれど、それ以前にルールがおかしい。打撃中に捕手が打者に触れたら確かに打撃妨害ですが、捕球した後にバット振ってミットからボール飛ばすのを、どうやったら打撃妨害だと思えるんでしょうか。少なくとも本文描写みる限り、これは捕手の送球の妨害で立派な守備妨害です。もし家で読んでいたら本投げ飛ばしていたかもしれません。著者はあまり野球知らないんじゃないかと疑りたくなります。

http://homepage3.nifty.com/t-snow/diary/0704ge.html#070420_1
 まあ、訂正記事が既にありますが、ストライク・ボール宣告前にバットにミットが触ったら打撃妨害です、基本。余程故意と看做されれば別ですが。
 審判のコールの描写が原文にないので宣告前だったと考えるべきでしょう。
 で。

女の武器? ただずるいだけでしょう。

野球の試合がどんなに厳しくても、絶対に『男まさり』なことはしない。いい? わたしたちは可憐で、か弱くて、ちょっと殿方に噛みついてみたいだけ。爪も牙も、こっそりとしまって戦うの。それが作戦というものよ。女はね、刃を口紅のしたに隠せるのがいいところ

 っていう作品世界でそれを言ってはおしまいでは。
 個人的にはミット狙う、はルールの範囲で勝ちに行く野球、としてはありかなあ。