伊藤計劃『虐殺器官』
- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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好きだの嫌いだの、最初にそう言い出したのは誰なんだろうね
「もっと! モット! ときめき」かい。えらく緊迫した対話の真っ最中にそれか、という。
『ときめきメモリアル』の人間観と『虐殺器官』の人間観にはなるほど何か通底しあうものがある、と直感が告げているがなにが、どう、とはまとまらないなあ。感情調整とあのモテるために全てを頑張らされるシステムがなんか似てる、のかなあ。単なる『メタルギア』好きならコナミ―『ときメモ』も基礎教養か、って話にしとくべきか。『ときメモ』に言及されて声声連呼されるとなんかこう、声ヲタっぽい印象が。正調コンシューマギャルゲーにあっては台詞回しなんてはいはいシステムメッセージシステムメッセージ、で、声優の声こそが問題だったわけで。あー、つか、アレやん。学園生活の全ては女を落とすため、ていう『ときメモ』の世界観が結局はコミュニケーションて好き嫌いじゃねえの、好きって言うために色々やってるだけじゃね、という全体のありように対応してるンやないの。シンプルやないの。どうして気付けへんの。頭悪いン違う?>俺。
えー。細かく、黒丸尚訳ギブスンっぽい言い回しがある。疑問の語尾が「こと……」だったり「なの……」だったりするあたり。
全体として連想したのは古橋秀之『ブラッドジャケット』。母殺しのトラウマ抱えた殺戮者の魂の遍歴withサイバーパンク、というあたり。比べりゃ冗長でエモいな、なんてのは殆どっつーか難癖だ。
そういうわけで*2、傑作。日本から逃げてね? とか、そういうのはまあいいじゃない。