エヴァ』が今でもスキャンダラスなのは、それがとんでもなく面白いアニメである事に実はよる。
単純に、エヴァンゲリオンよりもかっこいい主役ロボも、第三使徒よりもかっこいい敵メカも、この十年ついぞ現れなかった。
それは新劇場版も同じ事なわけだが、エヴァンゲリオン使徒超えにどうして誰も挑みもしなかったのか。

http://d.hatena.ne.jp/rulia046/20070917/p2

三文目。えーと、挑んでないわけじゃないみたいですが。結果は、まあ、結果だ。

 えーと、エヴァンゲリオン超え、については、みんな挑んでいるし、それなり以上の成果も出ている、と思います。『アルジェントソーマ』とか『theビッグオー』とか『オーバーマン キングゲイナー』とか『Z.O.E. Droles,i』とか。
 ただ、エヴァンゲリオン使徒超え、つまり、「機能とは微妙に齟齬があるが動かし方のアイデアの込められた、毎回違う敵」を「きっちり明るいところで全身のシルエットを見せてやりながら、相手の機能に合わせたアイデアを駆使して倒す」ということに関しては、しようとしたアニメはなかったと言っていい気がします。
 『オーバーマン キングゲイナー』は同じ敵メカが何度も登場し、『theビッグオー』は画面が暗いし、機能とデザインがちと近すぎる。『神魂合体ゴーダンナー!!』は一番頑張った、基本的には毎回新敵ですが、雑魚としては同じ敵がちょこちょこ登場したし、動かし方のアイデアのない敵デザインが微妙。『ガン×ソード』は倒し方が相手の機能にあんまり合わせてない。『電脳冒険記ウェブダイバー』は動きのアイデア以前に動いてねえ。『勇者王ガオガイガー』は一番惜しいけれど、機能とデザインが近い。
 と、真っ向からエヴァンゲリオン使徒と同じ路線でそれを超えようとしたロボットアニメはなかったように思うのです。なんか見落としてそうな気もしますが。

 ところで、毎回それぞれにヘンな動きをする新敵ロボ、というのをやろうとすると、実は敵は非人間的な謎のアレ、にしておいたほうがやりやすいのだな。
 そうすると、その謎のアレをやっつけられる主役ロボってなんなの、という話になり、おんなじようなあれぞな、となり、なんかよくわからん奴=他者としてのロボ、という問題が立ち上がってくるわけで、『エヴァ』ではなんとなくママっぽい、でごまかしたとこ、人ロボコミュニケーションてのは実は『エヴァ』がやらなかったロボットアニメの大ネタのひとつであったりしますね。
 日本語話す友達、ならまあ昔っからよくあるんだけど、恋人、てとこに踏み込むとエッヂな感じがしてくるし、日本語話さないと描写がいい感じにサスペンスフルになる。
 違う言い方をすれば、『勇者警察ジェイデッカー』の補項として、『新世紀エヴァンゲリオン』は成立した、と言える。『アイドルマスターXENOGLOSSIA』は『エヴァ』の後追いであると同時に、『ジェイデッカー』の現代へのよみがえりでもある。
 『天元突破グレンラガン』におけるロボットはそういう部分をがっつりと欠いていて、これは『ゴーダンナー!!』にしか追いついてねえなあ、と思う。残りでどこをずばっと突破してくれるのかしら。かしらかしら。