スケッチブック

 岡田麿里のウルテクが炸裂しまくるなあ。
 原作の何も言い尽くされないアウトサイダーアート性をスポイルしていると言えばまあそうだが、それはスポイルせざるをえないところであって。原作は言葉になってないことで結果的に描き出されるものがあるだけで言葉にしてないわけじゃないからねえ。
 人々がそれぞれに違うものを見る、という主題に沿って、愚直に栗ちゃんが、先生が何を見て、そしてその時に空が何を見たのか、を言葉にしていく。
 その栗ちゃんと先生の発言の他愛もなさ、微妙に空の解釈が逐語的過ぎる感じとか、エピソードのオリジナルな部分の、つまり鳥が低く飛ぶ理由とか、そういう細部が一々原作のノリをよく拾っている。
 てか、ナナフシの話から栗ちゃんの体の柔らかさを読み取る、とか、すごすぎると思うんですよ、やっぱり。
 麻生さんのエピソードはまあ、多少改悪感はあるが。明るい麻生の内語の重さ、てあるはずで。