月に一度のシムーン脳
 『シムーン』というのは、アーエルにフられた二人が男になる話だったんだなあ、と思い至る。
 具体的にはフロエとヴューラ。
 ヴューラって、アルクス・プリーマの私室でのアーエルを知る唯一の人物なわけですよ。おやつ共有するほどの仲なわけですよ。
 まあそりゃ惚れるよね。
 で、フロエの気持ちはまわりからはやし立てられまくるのだけれど、ヴューラのほうは、一人で抱え込んでいる。その気持ちが自分の選んだ性別を告げるときの間にぎゅっと凝縮されていて、そう思ってみると胸が締め付けられるように切ない。アーエルの返事もみょーに間をとって思わせぶりなのよね。
 すたぶ。