■
なんか今日はよくわからんネタが続くなあ。
古橋秀之に一番近い作家はスタニスワフ・レムとはアイが常々セイしているところなのですが、そのレムの「天の声」にこんな一節がござました。
私は五〇年代に一度、原爆実験を目撃したことがある。ホガースさん(彼は、きまって私にそう呼びかけた)、あなたは原爆の茸雲の色ほど美しいものがこの世に存在しないことをご存知だろうか?
『天の声・枯草熱』P123
「そう、どかーん! って。それでね、町も人も吹き飛ばして、誰もいなくなった廃墟の上に、大きなキノコ雲が立つの」
「……怖いこと考えるんだな」
「え? ……うん、そうね。そうだね」
広崎はそう言いながら、想像上のキノコ雲を見つめるように、目を細めた。
「でも、すごくきれいなんだよ……」
『ある日、爆弾がおちてきて』P31
前者のラッパボートはホロコーストの生き残りで、後者の広崎ひかりは死病病み。
死線をさまよう人間こそが、美しい終末のイメージに魅せられる、というモチーフ。
『ある日〜』の方ではこのような終末のイメージは「恋する死者の夜」によって例のメソメソやってくる終末イメージに摩り替えられる。連作短編の構成としてあまりに鮮やかですね。
『ある日、爆弾がおちてきて』もう一題。
「ある日、爆弾がおちてきて」・・・授業中に爆弾の事を考える・・・『雫』
「おおきくなあれ」・・・大女のタカさんとの恋愛・・・『theガッツ』
「恋する死者の夜」・・・病室に木の枝からアプローチ・・・『同級生2』
として、残り4作品のモチーフになったエロゲって何?
それともこの三作品以外にはそういうのないのかしら。