夜の部

  • 移動

 神保町のスカイラークでましう先輩、転、しおり、俺のSF研メンツと前島君id:cherry-3d*1、山田君のMJ-12コンビで夕食。積もる話で盛り上がって、ふたき旅館についた時にはオープニングがはじまるギリギリという始末。

  • 浅倉部屋

 何故かかぶりつきで、大変に緊張した。
 こんなに列席者全員が掛け値なしでゲストを尊敬しているセミナー合宿企画も珍しいんじゃないかと思った。
 色々楽しいお話が聞けたんだけど、俺がどうしても気になっていた件について知りたい人がもう一人くらいはこの世にいる事を期待して、空気読まずにした質問とその答えを書いておく。
Q:ギブスンはどういう経緯で訳されたんですか?
A:あれは「オムニ日本版」からやらないかって言ってきた。ギブスンは好きです。
 一応注釈しておくと、ギブスンの翻訳者としては黒丸尚が有名だけれど、浅倉久志はギブスン本邦初紹介の「クローム襲撃」の翻訳者で、黒丸尚没後に発表された新三部作の翻訳も手がけているし、何せ『クローム襲撃』のクレジットは浅倉久志・他訳だったりする。
 参考。http://www.so-net.ne.jp/SF-Online/no12_19980225/special4.html
 なお、ギブスンは77年、「アンアース」に「ホログラム薔薇のかけら」を発表してから四年間沈黙していた作家で、81年に沈黙を破ってからも84年までの三年間は短編作家として活躍していた。そういう意味で一発屋の位置に落ち着きかねない作家だったとは言える。悪夢的な感性の作家でもあるし、冲方丁が凝り性って書いてアーティストと訓ずる作家である事も鑑みれば、今年のSFセミナー本会の裏テーマはウィリアム・ギブスンであったとは言えなくもない。

 新城カズマサマー/タイム/トラベラー』について、男性出席者がみな口を揃えて好きだけどジェンダーSFとしては評価しない、と主張していたのが謎だった。
 リストアップした意図はセカイ系作品のジェンダー的な側面について考えたい、という事だったそうな。で、出席者の一人がセカイ系のヒロインは完全に記号化された存在だからジェンダー論でどうこうしたって仕方がない、例えば『イリヤ』とか『涼宮ハルヒの憂鬱』とか、とまとめてその場は収まったわけだけれど。
 『イリヤ』に関しては何も言わないにしろ『ハルヒ』をそう片付けるのはどうなのていうかセカイ系って具体的にどれの事さ、と思ったけれどキリがないので止めた。
 『ハルヒ』がいかに女性を描けているか或いはハルヒがどれだけ古泉にイケナイ*2興味を持っているのかは項を改めて。

*1:このはてなIDは最早嘘なのでcherry-2dと改名する事を強くオススメしたい。

*2:極めて政治的に正しくない表現である。