ゼーガペイン

 凄まじく隙のないエピソード構成とやや冗漫で説明的なキレのないダイアログという、また偏った能力のライターだなあ監督か? と思ったら眞頼たんでした。
 この人こんなにこんなんだっけ?
 と思って6話と1話を見返す。
 あー。普通にキレキレだ。
 テンパった叫び合い・空はキレキレ、何ということもない表層的な日常会話も上手いけど、心の通い合った和やかな会話だけはあんまり上手くないのか、関島眞頼
 ダイアログのキレって要はディスコミュニケーションを細かく挟み込めてるかどうかだから、叫び合いの方がキレを出しやすい*1ってのはあるにしても、あまりに、ラブラブ和む事を求められないヒーローものに偏った能力。
 ますます好きになった。
 
 ところで今見返すとやばいね。
 キョウの気持ちがどんどんカミナギに傾いていくその後の展開を知りながら聞くシズノ先輩の「私を信じて」という柔らかな口調の切なさとか、身を攀じ切られそうになる。
 ついき。
 なんか川澄と久川が下手なだけな気がしたよ。下手って言うか、リアリティがかみ合ってないっつうか、川澄が役柄上深みが使えなくて久川もいつもにまして上手く上滑れてない相乗効果。
 さらについき。
 川澄は本来、安っぽい二面性をそうと知りつつ萌えどころに聞き做させる名手であって、それは「札幌ススキノ雨の25時」など聞けばパツイチでお分かりいただけるっていうか『おねてぃ』とかもろそうで、ただ、そのわざとらしさを今回は使えない特殊な事情があって、それは結局先輩キャラを立てるために、ひっくり返るギリギリのゾーン、東ユキやメルフィナ*2の時はそこしかなかったデス清純声を封印してるから、なんだよね。なんつうの、『はじめの一歩』で言うところの唐沢戦を川澄は今回やってるんだけど、それが裏目に出た感じ。一方の久川は流石に川澄の親友をやるには若くない、というのがあって。その若さはまだなんとかなくはないはずなんだけれど、それを使うと今度は家中宏の恋人ではいられない。じゃあそれぞれオルタナティブが誰かいるのかって言うと、物凄く難しい、ていうかいないのだけれど。家中宏を諦める? いやそれには勿体無いパフォーマンスしてるよね。

*1:人の話聞いてる場合じゃないからねえ、そういう時って。

*2:ってメルビナに似てるよね。マクガーレン社の社長令嬢であるところの。狂おしくどうでも良い。