作家性、というのはまずもって表現の表層、文体であるとか映像であるとかそう言う部分に露出するものであるけれど、である、と言う事と作家の名前が売れ行きを左右するという事実を併せて考えれば、文体こそがヒットの要件なのである、という結論には容易に達する事が出来る。
 この場合の文体とは作家性の発露であって、である以上、その作家の精神性とか魂とかなんとかそういうものが全力でぶつけられた本気の結果として生じるものである必要がある。
 なんかちょちょいとテクニックで書いてもおんなじなんじゃないの? 多分いいえ。大衆はその差異を敏感に読み取り、本気でないものには見向きもしない。評論家/知識人が考えるよりもずっと、大衆は表現に敏感だ。
 てのはなんか単によくある大衆賛美っぽいなあ。