片山一良ガンダムやらねえかな その5

しかし、何故かこれだけ説得的な主役ロボット*1を得ながら、その重厚さをもっとも生かせる場所に戦場を限定する努力をスタッフはしなかった。パワーの塊である妖精くんに対抗すべき敵エイリアンはそれぞれの能力の差異を外見でわかりやすくは提示してくれなかった。
そのため、重厚極まりない妖精くんが気をつけの姿勢のまま空を飛んでのっぺりしたエイリアンのところへ赴く、しかも行った先は毎回毎回アメリカ中西部の大草原or畑作地帯でまったいらな上に一色、という退屈な絵面が頻出するアニメに仕上がってしまった。
宇宙からの降下物が正確に一カ所に集まるわけはないというリアリズムと見た目から能力のわからないサスペンスのつもりだったのかはたまた色んな絵の用意できない日程的・予算的な制約だったのかはわからないが、退屈な絵面に頻出されては『エヴァ』のようには興奮できないには決まっていた。
それでも偽『エヴァ』作品の中では頭一つ抜けていたのは事実なのだけれど。いざ戦えば妖精くんはスーパーヘビーの説得力に溢れてたしね。あの飛行姿勢もマッシブな味があったし。

*1:正確には妖精くんはロボットではないが、それはまあ措く。