片山一良ガンダムやらねえかな その4

その『ザ・ビッグオー』の成功を受けて、片山監督が次に手がけたのが、『アルジェントソーマ』だった。
今度は、一転『エヴァ』みたいなかっこよさを追求した作品である。トラウマ持ちの集められた秘密組織がギスギスしながら怪物退治、とまとめれば、その大枠が驚くほど『エヴァ』に酷似している事は明白だろう。
 ただ、『エヴァ』を合法的に真似するだけではパンチのない映像にしかならない事は『デュアル!』で証明済みなのであって、なにか一工夫しなければならないのも確かであった。
そこで持ち込まれたのが、怪獣映画の美意識に遡って『エヴァ』と差異化する方法である。『エヴァ』には、『ウルトラマン』以降の怪獣プロレス化した怪獣映画へのオマージュの側面があるが、『アルジェントソーマ』はそれ以前の怪獣映画へのオマージュを目指した。
即ち、重量感を強調する方向性を。
この方向性の具現化としての妖精くんのデザインはまずもって完璧と言っていいだろう。