片山一良ガンダムやらねえかな その3

つまり『エヴァ』後のロボットアニメの多くは『エヴァ』みたいでないばかりか『エヴァ』くらいですらある事ができてはいなかったのだが、中では数少ない例外であったのが、片山一良が手がけた二本のロボットアニメ、即ち『ザ・ビッグオー』と『アルジェントソーマ』であった。
『ザ・ビッグオー』は『エヴァ』と同様に戦場を限定する事で飛ばないロボットの魅力を存分に引き出す事に成功した。
 記憶を失った町という舞台設定が、主人公が最強のロボットとその機動的な運用を独占できる理由を構成し、さらにそれがドラマの駆動力にも流用される*1
 作為的に過ぎると言われればその通りだが、舞台設定の周到さは『エヴァ』以上であったと言っても過言ではない。
惜しむらくは全体の仕立てが『エヴァ』みたいではなかったため『エヴァ』厨の俺のイヤンな感じの感情移入を引き出せなかったという点だが、これは無論作品の欠点ではない。
『ザ・ビッグオー』は『エヴァ』くらいを志向して最も成功したロボットアニメだった、と言っていいだろう。

*1:無論、本当は話が逆なのであって、ドラマの中心が主人公の無敵性の謎に照準されているのである