Yes! プリキュア5

 好ましいのは、キャストをさておけば、前作前々作に比べて圧倒的に安普請なところ。「なんつーかこのテのアニメって作画レベルが上がると妙な色気だか媚びだかを纏っちまう気がするので。」*1
 立派なことをやっています、という気負いが抜けて、気楽に見られる、良質な大きなお友達向け少女アニメになったんじゃないでしょうか。のぞみがちょっとジョルノみたい。この夢原のぞみには夢がある! 褒めてる? 褒めてるよ。従来のシリーズに付きまとった道徳番組的な小賢しさからキャラクター、ことに主人公が自由でとてもよい。ということは頭が不自由ということですが、頭の自由な奴は行いが不自由なので、まあ、どっちもどっち中途半端が一番悪いわよ、というあたりで。小賢しいなら中途半端だよね、無論。
 で、ちょっと見解修整。「黒キュア本名陽子-樹元オリエ-三瓶由布子/白キュアゆかな-榎本温子-前田愛永野愛ってのは前者が女児向け後者が大きなお友達向けのキャストであるということ」*2とか前に書いてますが、この番組の三ちゃんは劇団若草の非声優系の若いの、としてではなく、レントン・サーストンの引用として起用されているように見えます。ということは竹内順子はロミではなく、海外ANIME FANのスーパーヒーローうずまきナルトゴン=フリークスなわけですな。
 黒キュアキャラの二人さえ大きな/海の向こうのお友達向けなのです。
 これは、天下のゆかなに本名陽子ジブリ経由の毛並みの良さで対抗できたが樹元オリエでは榎本温子の向こうを張れようはずもなく、ブルームよりもイーグレットかならば今度はいっそ全部白キュアで、となった結果であることは変身後の色見るだけで明らかです。
 そうしてみると、『エア・ギア』の野山野林檎、『キューティーハニーF』の如月ハニー、『デジモンアドベンチャー』の太刀川ミミ/『Xenosaga THE ANIMATION』のシオン・ウヅキ/『冒険王ビィト』のポァラと近年の東映アニメの声優的記憶と固く結びついた面々で回りを固めてきたのも、そういうことを気にする層向けということができるかと思われます。
 無論、レントンとナルトを引っ張ってくる事を決めたあと、あとはいつもの連中でいいや、となってしまった可能性は否定できません。てかそうだよ、多分。
 その場合、ナルトはさておき、レントン、『交響詩篇エウレカセブン』が大きなお友達にバカウケ、というなんかびっみょーに間違ったマーケティングをしてしまったのではないかと思うと、その浅薄さにもなんかこう、共感できてしまう。
 ひょっとしたらオーディションでいいパフォーマンスを見せただけかもわからんけど、少なくとも、あんま色のついてないの、というこれまでの黒キュアの方針からは三瓶/竹内って組み合わせは外れていて、色つきでいいやとは思ってるはずなのね、スタッフは。

*1:http://d.hatena.ne.jp/imaki/20041022#p1 アニメとしてのなりたちは結構違うので、纏ってしまうのは色気だか媚だかというよりは、なんかもっと抹香くさいもの、ですが。

*2:http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20070212#1171271489