神曲奏界ポリフォニカ

 あー、小説家の脚本ですね。これが子供にバンバン受けてプラモがガンガン売れるべきだった『ゼーガペイン』をマニア受けアニメにしか出来なかった罰ゲームなのか。
 微小な差異が商品力を決定的に左右する理論に基づいて言えば、脚本においては、ちょっとした台詞回し、そしてその相互作用の個性が最終的なクオリティに最も深刻に影響してくる、という事になります。
 プロの、本職の脚本家は、なので、凝った台詞と捻った対話にどこまでも拘ります。それが脚本の技術でもあり、また同時にセンスの現われる部分でもあります。
 本職でない脚本家、多くの場合演出家が脚本を担当するケースでは、そのような微小な差異に気が回らないことが非常に多く、そのため安直な台詞と捻りのない対話で、物語構造はしっかりしているのに人物の存在感の全く出てこない脚本がよく見られることになります。詳しくは『Winter Garden』とか『IGPX』とか見てください。
 小説家の脚本は、演出家よりはマシだけれど、やっぱり人物が平板で台詞が説明的なケースが多々あります。
 なぜなら小説家が微小な差異を作り出すべき主戦場は、地の文の方であり、台詞は人物間の情報格差を解消したり提示したりする、物語構造に属すべき要素だからです。これは、脚本家の小説では作品のリズムを生み出すべき地の文がト書き、ただの状況説明に堕してしまうケースと裏表に対応しています。
 文章を書くプロといっても色々なのです。
 小説は地の文でリズムを作り台詞でストーリーを進める、脚本は台詞でリズムを作りト書きでストーリーを進める、と言ってもいいか。

 そんな事はさておいて成田紗矢香。単発ゲストか。それともちょこちょこでてくんの? まあ、出番の量はまずさておいて、こんなかないみかっぽい事も出来たんだね。よし。
 サトリナと川澄は『ゼーガペイン』から立て続けで下田正美作品登板か。
 うーん、あまり感心しない川澄。30歳の女性声優なら誰にでも出来る仕事、な気が。まだまだ走れんだから楽しちゃダメよ。
 奈々ちゃんがジミカワにもエロカワにもビチエロ*1にも振れるのは、花のなさ*2をどう読ませるのか、という、キャスティングの極めてテクニカルな部分に依存する――無論、そのような起用に応える器用さは水樹奈々自身の美質であるわけだが――ありようで、通好みの玄妙な味わいの声優であるなあ、と思うことですよ。
 戸松遥中田あすみor寺門仁美*3で言えば寺門系。

 ところで、作画が悪いってのはこの一話くらいかそのちょい下あたりから使うって方向で統一されんかなあ、世間。
 ま、それこそGA文庫の宣伝目的であるからには、TVでアニメやってます、て事実が欲しいんだろうが。

*1:いたよな、そんな外人、オリックスに。ビティエロだそりゃ。

*2:佳奈ちゃんと比較してみよう、例えば。

*3:http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20060130#1138645684 http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20060220#1140460256