古橋秀之はそつなくまとまっているのではなく、常に近代小説として完璧なだけ、とか。
 なので、「破滅と再生の寓話」ったら本当に「破滅と再生の寓話」を書いてしまう。
 そこには取り付くしまなんてありはしないわけですよ。
 だから、あからさまにポモいこと――サイバーパンクとかパロディとかマジックリアリズムとか――をやらないと、小説としてどうかで読んでない読者には受けないんじゃないかしら、とか。
 「百万光年のちょっと先」の単行本化がなので楽しみで仕方がない人です、吾人。