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声優の枕営業、が根強く囁かれるのは、目の前にあるキャスティングなりパフォーマンスなりの説明モデルとしてそれが必要だ、という輩が案外多いからではなかろうか。
上手い――下手の二項対立で声優のパフォーマンスを説明し、能登麻美子や千葉紗子を例外として処理する。
そして上手い声優は実力、下手な声優は枕。こう考えれば、世界はすっきりとした相を取り戻すだろう。
なるほどこれは安定した世界観だ。
問題点はただひとつ、厳然として現前する、上手い下手の二分法になど収まりきらない声優さんたちの豊かなありように目を閉ざしていること。
無論、この一点によりこのような世界観は無意味である、として退けられねばならないのである。