中村九郎『神様の悪魔か少年』

神様の悪魔か少年 (Style‐F)

なんばで買って米原ー岐阜羽島間で読了。てかなんばのヤマダ電機以外で見つかんなかったっす。大阪行ってよかった。
多分、これまでで一番わかられやすい中村九郎作品。無論、わかられやすさだけが価値ではないし、わかられにくさはあってもなお刺さる『黒白キューピッド』が俺は大好きだし大傑作だと思うので、これが中村九郎の最高傑作だとはいいたくないのだけれど、やはり大変な傑作であります。
初期佐藤友哉はこの中村九郎のための実験体でしかなかったとか、そんな感じです。
自罰的な、恋をしてはいけない主人公、黒幕を巡り二転三転する思考、X*1に寄る操りと『ロクメンダイス、』にモチーフとしてはよく似ているかも。
しかしこの人のヒロインの引き出しの多さと深さにはホント恐れ入ります。恵可愛いよ恵。佐村井＝侍、芳原＝吉原、かしら。
麻巳子はきっと俺らへのメッセージ。言われてみれば佶屈させる時の間がそっくり。「ミルナの禁忌」（歌のほう）の成田パートとか。てあたりでミルナさんの感想http://miruna.jugem.jp/?eid=1410にリンクする。

*1:ネタバレなので伏せ。