true tears
美しく敗北せよ。
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一番俗っぽく言うのならば、独立独歩の立派な不思議ちゃんがアート系バカボンに引っ掛けられて捨てられてちょっと大人になる、というシンプルなお話。『天夢航海』の「まわっていく流れ」とか大好物なので個人的には無問題ですが。
邪気眼的または中二病的な思春期の衒いと驕りを殊更に見下すよりはそれはそれでありかななんて軽く髪をなびかせてみたい向きなので、これはいい青春の甘い記憶と苦い痛みの物語ですねと言う。
すなわち、少女と少年の問題系。
敗北主義者の苦くてタフなサバイバル。まっことトレーズ様って結局何、というのがこの15年のアニメの主題だったのであるなあ。
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ギャルゲーのアニメ化はわりと必然的に、女の子の失恋モノになります。わりと。
http://d.hatena.ne.jp/imaki/20041118#p1
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シムーン脳をガンガン回して言えば、『true teaes』とは『シムーン』の25話と26話、あるいは26話の現在パートと未来パートの間にあるべきもの、を取り扱っている、と言っていい。
つまるところ、フロエの涙について。
ざっくり言えば、乃絵=フロエ、雷轟丸=アーエル=アルクスプリーマ、地べた=カイム。無論、その奈落の底にきっと僕がいるのでカイム。
アーエルと別れたフロエが泣いてカイムと抱き合うまでの話。
飛べるアーエルはいい、だけど、飛べない、飛べなくなってしまったフロエは? という話。
無論、フロエと乃絵は全然違うのだけれど。物事に動じないのに自らの恋心に戸惑う乃絵はアーエルのようでもある。ちっちゃくて背筋の伸びたいつもの西村主人公といえばそうね。『風人物語』『シムーン』『true tears』と並べると、似たようなモチーフを偏愛する監督であるなあと思えてくるよね。
さておき、空に憧れる、飛べない少女。
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比呂美エンド云々どころか、眞一郎すら乃絵=フロエの物語では脇役に決まっていて。
あえて言うなら比呂美と眞一郎はユンとオナシアのちゃんぽん。乃絵にとっての泉の機能。ユンとオナシアにも超然的な態度は許されない、そういう意味では『シムーン』よりもシビアな話。誰も永遠の少女ではいられない。呪いは存在しない。性別も選べない。
『シムーン』がスーパーナチュラルで逃げたところを補完した、と言ってもいいが、その分『シムーン』の方がイメージが鮮烈で美しい。痛し痒し。
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ユンとフロエは結構ぶつかりがち。まめちしき。
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続く、かも。
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買えばいいじゃない、みんな。
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http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=473384&log=20080331
逆だけどな。本来なら成立しえない恋愛が成立する唯一点のみがギャルゲーの力であり。世界を革命する力をそんな簡単に捨てちゃっていいんだ。
よくはない。
よくはないけど現実はゲームじゃないわがままにリセットできないからねえ。
じゃあ、何のためにギャルゲーの、その恋愛部分を題材にとるのか
『tt』に関して言えば世界を革命する力のない人間を描くための逆説。『D.C.』についてもほぼそうなんじゃないかしら。
『To Heart』は別だけどそこは俺じゃなくて今木さんにゆってよね。
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「革命」ときいて「リセット」と直結しちゃう短絡回路
そうね。自分革命もありだったわ。てか、恋愛ストレス下のアンシャンレジームから自分体制をダイナミックに変革することをフラレナオン祭りと呼ぶのだったわ。多謝。まあ西端さおり『Hearts』の引用だけれども。