『スカイ・クロラ』感想余談。
 散華は明らかに震電だしスカイリィは明らかにP-51なのに、バトル・オブ・ブリテンがモチーフで散華は前後逆さまのBf109、スカイリィはスピットファイアってアニメーションノートで押井守がゆってたのはいくらなんでも苦しいと思った。
 どー見たって震電もし完成せば、ていう架空戦記的な想像力の産物じゃないですか、原作が。ファンの人は恐らく俗悪な架空戦記のヘタレ中年慰撫ナショナリズムとは無縁の価値中立的な思考実験、とか言うんだろうけどその価値中立の影にはある特定の思想傾向が隠れていると思うんだ。
 古式ゆかしき左巻き押井守にとってその思想傾向は許容しがたいのであって、そういう許容不可能な作品を手がけていたストレスを想定すると今回のなんだか首を傾げざるを得ない押井守の言動の色々が一気に納得のいくものになる気がする。