http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20090506/p1
 いやそれ『プシュケの涙』だけじゃね?
 『ぜふぁがるど!』とか全然そういう構図ないぜ。
 で、『お稲荷さま。』。
 流れていく時間の中で兄弟の母親が死んだインパクトを後生大事に、それこそ、永遠の時間感覚の中で抱え込んでいるのはクーちゃんだけであって、みんなそれなりに、コンビニの売り上げとか好きな男の子のこととかばっか気にして日々をのほほんと過ごしている、というのが『我が家のお稲荷さま。』じゃない。そういう意味ではイーガンの「ボーダーガード」みたいな話だよ、『我が家のお稲荷さま。』って。
 三槌家の当主であることや大妖怪天狐空幻が側にいることのほうが結局は高上兄弟のもとに怪異を呼び込む原因となっているわけだけれど、それを全て母親の死に起因する、と称してしまうのは不可能ではないにしろ牽強付会だろう。美夜子のことなんてやってくる妖物どもは全く知らないし、従って話題に上ることも殆どない。てか先に『夏目友人帳』批判しろよあれなんかさらにモロだろー。『夏目友人帳』を批判しないと「叩いても反発受けなさそうなものだけ選んで叩くチキン」認定しちゃうぞ。
 『プシュケの涙』は悪趣味だと俺も思う。『お稲荷さま。』を書けなくなった挙句『プシュケの涙』を書いてしまう柴村仁にはある種の邪悪への親和性があるとは言えなくもない。けれど、『お稲荷さま。』を通してきちんと読めばその批判はどっちかというと不当だと思われる。