http://catfist.s115.xrea.com/wiki/wiki.cgi?page=Diary%2F2005%2D11%2D08#p2
 こっちも実は異論はあまりなかったりします。
 魔力補給はエロい、というより楽しいのです、むしろ。

ただ脱マーやって勝ったからってだけでもそれは物語なわけです。

 というのは先回りしていただいて手間が省けた、という感じです。いや、煽りとかじゃなくマジで。
 そういうエロのための物語、という流れがエロゲーにはあるわけです、とにもかくにも。でも、世の中それだけではすまない。殊に物語をユーザーの脳内に「やった藤崎を倒した」式に生じさせるのでなく、絵と言葉による語りで展開する方式を選択した場合には。
 物語が生じてしまった以上、エロへの前振りとしてだけではなく、それ自体として面白い物語じゃないと、エロが来ると思ってはいても退屈してしまい、エロられてもなんか乗れなくなってしまう。だから、エロゲの物語も面白い物語であってくれないと困る、という。抜きゲーは次のエロシーンの前振りが既にエロいという面白さを追求した形であるといえます。
 面白い物語である事とエロの前振りである事はエロゲの物語における二律背反であって、この二者の間で軋んでいる瞬間が一番エロゲはスリリングだ、と個人的には思ってるわけです。そこで開き直って「脈絡なんて犬に食わせろ」とか「ここでそれはさておき、と言うことは許されるだろうか?」とぬけぬけと言ってのける『嬌烙の館』が元長作品で一番パンクでかっこよく、作品力にみちみちていると思うわけです。
 閑話休題
 で、そんな面白さのために選択された魔術師バトル&基本純愛、という『Fate/stay night』の物語が、エロの前振りでなければならないというもう一方のジャンル的な桎梏にぶつかってぎりぎりと軋み、悲痛な叫びを挙げている、その表出があの魔力補給なわけです。
 安心もし、興奮もするし、何よりああ、エロゲやってると納得する。
 魔術師バトルとエロの両立を普通に考えると、負けた相手・負けた仲間がガンガンレイプされますよ、という展開が一番自然なわけです。自然、と言う事はひねりがないという事でもあり、つまり面白くない。
 で、好きあったのでハメ合いましたでは、じゃあ魔術はいらないよね、となります。魔術はなければならずエロ前振りでもなければならず、レイプもいかん。となれば魔力補給しかないでしょう。しかも、一番物語的必然性のあるところ、最強最悪の敵との戦いの前のパワーアップに持ってくるのはすごく理に適っている。理に適いすぎて却って作家の手が透けて見える。
 エロにも魔術バトルにも純愛にも本気を出した結果として、遠坂が遣り手婆よろしくハメろハメろと急かしてくる、つうか何、な展開がやってくる。選れて批評的な場面ではないかと思いますが如何でしょう。
 お返事としてはこれはこれで一応完結してしまったなあ。
 フレーバーとシステムの話はもう一件の宿題と一緒になんかちと仕切りなおしで。
 一応、続き気味。